牛肉は四季を問わず安定して供給されており、枝肉価格も一年を通して大きく変動することはない。
しかし、部位に関しては季節で相場が変わるという面白い現象が起こっている。
具体的には夏はバラ肉が、冬はロース肉の値段が高くなるという。
理由は市場ニーズにある。
夏になるとスタミナ食として人気の焼肉。
この時期、焼肉向きの部位であり主にカルビとして提供される「ともバラ」の需要があがる。
一方、冬はすき焼きやしゃぶしゃぶなど鍋が恋しい季節。
また、年末年始は贈答品ニーズがある。
それらによく使われるリブロースをはじめとした「ロイン」の価格が高騰するのだ。
ところが、枝肉自体の価格はあまり変わらない。
だから、逆にいえば夏はロース肉が、冬はバラ肉が比較的リーズナブルに出回るということになる。
季節感ある肉料理もよいが、敢えて逆張りで美味しい牛肉をお得にいただくのもかしこいやり方だ。
さて、今日は焼肉かすき焼き・しゃぶしゃぶ、どれにしましょうか?